カフェ・シアンティフィーク東京 - Cafe Scientifique Tokyo - 飲み物を片手に科学について楽しく話をするサイエンスカフェ
  Café Scientifique Tokyo

カフェ・シアンティフィーク東京

飲み物を片手に科学について楽しく話をするサイエンスカフェ

Café Scientifiqueとは ページ   1  2

カフェ・シアンティフィークは、科学の専門家をカフェに招いて、カジュアルな雰囲気の中で科学について語り合おうと1997年以降にイギリス、フランスで始まりました。シアンティフィーク(Scientifique)とは、フランス語で科学を意味します。イギリスで始まった活動なのに、フランス語の名前を名乗るのは、カフェで哲学を話し合うカフェ・フィロソフィーク(Café Philosophique)というフランスの活動にヒントを得て始まったことに由来します。アフタヌーン・ティーの国、イギリスで、カフェは、比較的新しい空間です。かつてイギリス紳士はパブで葉巻片手に、政治について議論しましたが、カフェ・シアンティフィークはフランス式に、性別も職業も関係なく、お酒を飲む人も飲まない人も楽しく集い、ふだんはそれほど意識していない科学の話題をともに考える場をめざしています。

カフェ・シアンティフィークのはじまり――イギリスでは
カフェ・シアンティフィーク
リバプール
カフェ・シアンティフィークは、長い間科学番組の制作に携わってきた元テレビ番組のプロデューサーのダンカン・ダラス氏によって、1998年にイギリスのリーズで始められました。当時、イギリスでは、狂牛病問題や遺伝子組換え食品の反対運動などが注目を浴びていて、国民の間で科学に対する不信が高まっていると言われていました。科学界は、国民に科学についての理解や関心をもっと高めてもらおうと、博物館や学校などを中心に、科学の体験学習など、科学の啓発活動に力を入れていました。しかし、ダラス氏は、科学と社会との間に生じている乖離を狭めるためには、これらとは異なる活動が必要ではないか。教育やジャーナリズムのように、一方向から科学を伝えるのではなく、科学を科学コミュニティの外側から眺める場が必要ではないかと考えたのです。

このような問題意識を抱えていた矢先、ダラス氏は、フランスで哲学者をカフェに呼び、一般の人々と共に哲学について語り合うカフェ・フィロソフィークという活動があることを知りました。カフェ・フィロソフィークは、哲学を大学や図書館にしまいこむのではなく、お茶のテーブルやコーヒーハウスに引き出すことに趣旨があります。こうしてカフェ・フィロソフィークにヒントを得たダラス氏は、哲学と同様に、イギリス国民の日常の文化から離脱してしまったかに思える科学を、再び文化の中に呼び戻そうと、カフェ・シアンティフィークを思いついたのです。しかも教室やテレビのブラウン管を通じてではなく、気軽な雰囲気の中で、科学者と一般の人々が同じ目線の高さで対話する場を作ることをめざしたのです。

第1回目のカフェ・シアンティフィークは、ダラス氏の自宅近く、リーズのワインバーで、哲学者を招いて開催されました。チラシを配布するだけの宣伝でしたが、当日は30人ぐらいが集まったそうです。哲学者の話が始まると、学術用語の連続で当初は失敗かと思われましたが、短い休憩の後には、会場から活発に質問や意見が飛び交い、闊達な議論の場と変化しました。

カフェ・シアンティフィーク
セトル
以来、カフェ・シアンティフィークは、メディアの注目を得て、ラジオ、新聞、「ネイチャー」などの科学雑誌が次々と活動を紹介しました。リーズのカフェの評判を聞きつけ、ノッティンガム(1999年)、ニューカッスル(2000年)、オックスフォード(2000年)が次々と独自でカフェ・シアンティフィークを始めました。2001年には、ニューカッスル大学のトム・シェークスピア教授と共同で非営利の会社を設立し、ウェルカム財団から3年間の活動助成金を得ました。この助成金をもとに、ウェブサイトを立ち上げ、イギリス内のカフェ・シアンティフィークの活動情報の集約やネットワーク作り、新しいカフェの設立を支援するなどの活動を開始しました。

ウェルカム財団からの資金を得て以来、カフェ・シアンティフィークは、毎月新しいカフェが開設されるほどの勢いでイギリス内に急速に広まりました。現在(2005年11月)、アイルランドやスコットランドを含め44箇所で、開催されています。

カフェシアンティフィーク (イギリス)
カフェ見てある記