カフェ・シアンティフィーク東京 - Cafe Scientifique Tokyo - 飲み物を片手に科学について楽しく話をするサイエンスカフェ
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カフェ・シアンティフィーク東京

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第9回カフェ・シアンティフィーク東京 開催報告
日時:第9回 3/15(木)19時~21時
ゲスト: 財城真寿美さん(日本学術振興会(神戸大学)/歴史気候学)
テーマ: 「気候変動―過去・現在・未来」

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第9回目のカフェ・シアンティフィークのテーマは「気候変動―過去・現在・未来」。ゲストに「歴史気候学」という分野の若手研究者の財城真寿美さんをお迎えしました。

歴史と気候…?財城さんは一体どのようなことを研究なさっているのか。お話はそこから始まりました。
財城さんは、もともと大学でエルニーニョ現象など気象に関する研究をしていましたが、そのときの先生からの勧めで、ある古文書のデータベース化をすることになったそうです。その古文書とは長崎の出島における江戸時代の気象観測記録。それが財城さんと歴史気候学との出会いでした。
このようなデータベース化の目的は、気候の長期的な変化を解明すること。日本では過去の気象データに関する研究は多くありませんが、過去の気候変動研究は、将来の気候を予測する上で大変重要であると財城さんはおっしゃいます。また、気象データには、そのバックグラウンドにある様々な人間模様が見えてくるそうです。
例えば、当時気候学と医学は非常に密接に関わっていたということ。他にも、壊れた気象機器や間違った単位を使って毎日欠かすことなく計測を続けていた日本人の姿などなど、当時の貴重な資料を基にお話ししてくださいました。
途中、「そのような昔の気象データをどれだけ信用できるのか」といったテーマで議論が交わされるなど、今回のカフェもフランクで活発な意見交換の場となりました。(山下)